証拠がないと言われた
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最初に決めるべきなのは、手元にある材料が「証拠」として足りるのかどうかです。ここが曖昧なまま動くと、足りない材料で請求して不利になるか、自分で集めようとして違法な手段に踏み込むか、のどちらかになりがちです。
AIはここまで教えてくれたはず
おそらく、こう言われた
- 慰謝料請求の根拠になる「不貞行為」とは、配偶者以外の人との肉体関係を指す
- そのため求められるのは、肉体関係があったことを推認させる証拠
- 親しげなメッセージや、二人で食事している写真だけでは、不貞の証明として足りないとされることが多い
- 慰謝料の請求には時効があり、不貞の事実と相手を知った時から3年(民法724条)
ここまでは正確な整理です。残る問いは一つ。自分が持っているものは、どちら側なのか。この判定は、一般論からは出てきません。
それでも動けないのは、この3つのどれか
- 手元の材料が「証拠」になるのか、判断できないメッセージのやり取りやクレジットカードの明細はある。ただ、それで足りるのかどうかの基準が分からない。
- 自分で集めようとして、警戒されたスマホを見ようとした、問いただした、後をつけようとした。その結果、相手の行動が慎重になり、以前より分からなくなった。
- 費用が読めず、依頼に踏み出せない数万円なのか100万円なのか見当がつかない。相談したら契約させられそうで、問い合わせ自体ができない。
2つ目に心当たりがあるなら、時間は味方になりません。警戒されるほど行動の頻度は下がり、確かめられる機会そのものが減っていきます。
自分で片づけられる範囲
合法的に、自分で保全できるもの
- 自分が当事者になっているメッセージ。自分宛てのやり取りは自由に保存できます
- 自宅の共有スペースに置かれているもの。レシート、領収書、身に覚えのない請求書など
- 自分名義のクレジットカードや口座の明細。家族カードの利用明細は、名義人として確認できます
- 行動の記録。帰宅時間、外泊した日、連絡がつかなかった日を、日付つきで淡々とメモに残す
ただし、これらはほとんどが「補強証拠」にとどまります。単独では不貞の事実を証明しきれないものの、ほかの証拠と組み合わさったときに全体の説得力を上げる材料です。
たとえばホテルの利用を示す明細は、それだけでは説明の余地が残ります。同じ日時に二人で出入りした記録と組み合わさると、評価が変わります。自分で集めたものに意味はありますが、それだけで完結しないことが多いのが実情です。
自分では無理な範囲と、やると違法になりうる行為
この3つは、やってはいけない
- **他人のIDやパスワードを使って、SNSやメールにログインする。**他人の識別符号を無断で使ってネットワーク経由でアクセスする行為は、不正アクセス禁止法に触れるおそれがあります
- **相手の承諾なく、GPS機器を車などに付けて位置を追う。**2021年の改正で、GPS機器などを使って承諾なく位置情報を取得する行為がストーカー規制法の規制対象に加わりました
- **不貞の相手の自宅や職場に押しかける、繰り返し連絡する。**証拠集めにならないうえ、こちらが責任を問われる原因になります
違法に取った材料は、裁判で使えないどころか、自分が加害者の側に立つことになります。慰謝料を請求する立場から請求される立場に回るのが、最も避けたい結末です。
尾行と張り込みは、1人では成り立たない
徒歩から電車、電車から車へと移動手段が変わるたびに、追う側も手段を切り替えなければなりません。同じ人物が視界に入り続ければ気づかれるので、複数人で交代するのが前提の作業です。建物の出入りを押さえるには複数の出口を同時に見張る必要があり、決定的な場面は一度の外出では起きないことが多いため、日を変えて何度か記録を重ねることになります。
そして一度気づかれると、それ以降の調査は極端に難しくなります。自分で試して失敗したときに失うのは、費用よりも機会です。
依頼する場合の、法律上の確認事項と費用の考え方
探偵業法にもとづく届出を確かめる
探偵業は「探偵業の業務の適正化に関する法律」で規制されていて、営業するには公安委員会への届出が必要です。契約の前に、次の3点を確かめます。
- **探偵業届出証明書の番号。**公式サイトや事務所に番号の記載がない業者は、無届で営業している可能性があります。確認の仕方は探偵業の届出番号の確認方法にまとめました
- **重要事項説明書が交付されるか。**契約前の書面での説明は、法律で義務づけられています
- **契約書を交わすか。**口約束のまま調査を始める業者は避けてください
料金体系は3種類あり、仕組みが違う
| 体系 | 仕組み | 費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 時間制 | 調査員の人数×稼働時間で加算 | 調査員2名で1時間あたり2〜3万円程度 | 相手の行動が読めないと時間が延び、総額が膨らみやすい |
| パック料金 | 決まった時間数をまとめて契約 | 20時間で30〜60万円程度 | 時間内に成果が出なかったときの延長条件を確認する |
| 成功報酬型 | 成果が出た場合に報酬が発生 | 着手金+成功報酬 | 「成功」の定義が契約書でどう書かれているかを必ず読む |
地域、調査期間、相手の行動パターンで大きく変わるので、実際の金額は見積もりで確かめてください。相場より極端に安い見積もりは、追加請求を前提にしていることがあります。交通費、車両費、深夜料金、延長の単価が別建てになっていないか、総額の上限がどこにあるかを、契約前に書面で確認します。
報告書の形式も見ておきます。慰謝料請求に使うなら、写真の日時が特定できる形で残る報告書である必要があります。請求の期限については不貞慰謝料の時効と「知った時」の数え方で解説しています。
本ページは一般的な情報の整理であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。 費用は一般的な価格帯の目安で、実際の金額は条件や事業者によって変わります。 誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。