散水試験とは何か——流れ・かかる時間・費用の目安
散水試験は、雨漏りの入り口を特定するために、疑わしい箇所へ人工的に水をかけて、室内で雨漏りが再現するかを確かめる調査です。推測でなく、再現で確かめる。だから修理の的を外しにくいのです。
水は下から順にかける
散水は、疑わしい箇所のうち低い位置から始めます。そこから少しずつ上へ。上からかけると水が下の箇所にも流れ、どこから入ったのか区別できなくなるからです。
1か所につき数十分ほど水をかけ続け、その間、別の人が室内で漏れが出るかを見張ります。漏れなければ次の箇所へ移る。水をかける人と室内を見る人が同時に要るので、1人ではできない作業です。
時間は半日から1日
一般的な戸建てで、半日から1日です。疑わしい箇所が多ければ、それだけ延びます。入り口が複数ある雨漏りでは、1か所見つけたあとも残りを確かめるので、さらに時間がかかります。
調査の前には、業者が目視で建物を確認し、どこに水をかけるかの見立てを立てます。「南風の強い雨のときだけ漏る」といった記録があれば、見立ての精度が上がり、かける箇所が減ります。
再現しないこともある
再現しないこともあります。実際の雨は風を伴い、水が横や下から吹き込むことがありますが、散水ではその条件までは再現しきれません。台風のときだけ漏れる雨漏りで、特に起こりがちです。
ほかの調査方法との違い
散水試験のほかに、よく使われる調査が3つあります。
| 調査 | やり方 | 向いている場面 | 弱いところ |
|---|---|---|---|
| 目視調査 | 屋根や外壁のひび割れ、ずれ、劣化を目で見て確かめる | 最初の見立て。多くの業者が無料で行う | 見た目の劣化と、実際の入り口が一致するとは限らない |
| 発光液調査 | 紫外線で光る液体を流し、室内に出てきた液をライトで追う | 入り口が複数ありそうなとき。液の色を変えれば、どこから入った水かを区別できる | 液を流せる箇所に限られる |
| 赤外線調査 | 赤外線カメラで表面温度を撮り、水を含んで冷えた箇所を探す | 建物を濡らさずに広い範囲を調べたいとき | 機材の費用がかかり、高めになる |
実際には、目視で見立てを立ててから散水試験で確かめ、必要に応じてほかの調査を足す、という順番で進むのが普通です。
費用の目安は、数万円から十数万円
散水試験の費用は、建物の規模と調べる箇所の数で変わり、数万円から十数万円程度が目安です。赤外線調査を組み合わせると、さらに上がります。調査のあとにそのまま修理を契約する場合は、調査費を無料にする業者もあります。
ただし、「無料調査」をうたって訪問し、その場で高額な工事の契約を迫る業者もいます。調査結果の説明を受けたら、その場で契約せず、ほかの業者の見立ても聞いてから決めてください。
本ページは一般的な情報の整理であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。 費用は一般的な価格帯の目安で、実際の金額は条件や事業者によって変わります。 誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。