退職届の書き方と、内容証明郵便で送る手順
会社と条件を話し合う必要がないなら、退職は書面1枚と郵便で完了します。書くのは「退職届」、送るのは内容証明郵便に配達証明を付けた形がいちばん確実です。
出すのは「退職届」。「退職願」とは効果が違う
名前の似た書面が3つあります。法的な意味は、それぞれ違います。
退職願は「辞めさせてください」というお願いで、会社が承諾して初めて退職が決まります。会社が承諾する前なら撤回できることもあります。退職届は「辞めます」という一方的な通知で、会社に届いた時点で効力が生じ、原則として撤回できません。辞表は、役員や公務員が使う言葉です。
会社と話し合わずに辞めたいなら、出すのは退職届です。
退職日は、原則として届いてから2週間後以降に設定する
正社員のように雇用期間の定めがない場合、退職の申入れから2週間がたてば雇用は終わります(民法627条1項)。就業規則に「1か月前までに」とあっても、法律上はこの2週間が基本です。以前は月給制の人に別のルールが適用されるという解釈がありましたが、2020年施行の民法改正で、そのルールは会社の側から解雇する場合に限られることになりました。
契約社員など期間の定めがある場合は、原則として契約期間の満了まで辞められません。ただし、やむを得ない事情があるとき(民法628条)や、契約期間が1年を超える契約で1年を過ぎたとき(労働基準法137条。専門職など一部の例外あり)は、いつでも辞められます。
残っている有給休暇を使い切りたいなら、その日数分を足した日を退職日にします。
書くのは5項目だけでいい
退職届に書く内容は決まっています。
- 表題として「退職届」
- 本文。「このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。」
- 提出する日付
- 自分の所属部署と氏名
- 宛名。会社の正式名称と代表者の役職・氏名(「代表取締役 〇〇〇〇 殿」)
理由は「一身上の都合」で足ります。不満は書かないこと。書けば、揉める材料が増えるだけです。
内容証明郵便は、同じ文面を3通用意して出す
内容証明郵便は、いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を送ったかを日本郵便が証明する制度です。これに配達証明を付けると、相手に届いた日も証明できます。退職届は会社に届いた時点で効力が生じるので、届いた日の証拠が残る意味は大きい。
窓口で出す場合は、同じ文面の書面を3通(会社に送る分、自分の控え、郵便局の保管分)と封筒を持っていきます。文字数には制限があります。縦書きなら、1行20字以内・1枚26行以内。横書きにも同じ枠のほか、1行13字・40行以内などの枠があります。
窓口に行く時間がとれないなら、日本郵便の「e内容証明」を使えば、Wordなどで作った文書をWebから差し出せます。24時間受け付けていて、3通そろえる手間もありません。
費用は、基本料金に一般書留と内容証明の加算料金が乗り、1枚ならおおむね1,000〜1,500円前後です。配達証明を付けると数百円が加わります。料金は改定されることがあるので、差し出す前に日本郵便のサイトで確かめてください。
送ったあとにやること
退職届を送ったら、会社からの貸与物(社員証、PC、健康保険証など)を追跡番号の残る方法で返送します。あわせて、離職票と源泉徴収票の送付先として自宅の住所を会社に伝えておきます。
会社から電話がかかってきても、出るかどうかは自分で決めてかまいません。ただ、連絡を毎回自分で受け止めるのが負担なら、窓口だけを外に出す方法もあります。
本ページは一般的な情報の整理であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。 費用は一般的な価格帯の目安で、実際の金額は条件や事業者によって変わります。 誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。